Book Review!


作者:オーガスト・ダーレス


レビュー: ソーラー・ポンズの事件溥 (創元推理文庫 184-1 シャーロック・ホームズのライヴァル) (文庫)

類似点も度が過ぎてくるとそれはある種の価値を持ってくるという好例。
プレイド街のシャーロック・ホームズと呼ばれるソーラー・ポンズが活躍する短編集です。シャーロック・ホームズの出現後、多くの作家達は編集者からホームズのようなストーリーとキャラクターを要求される中で自らのオリジナリティを見せようとしたわけですが、この作品はそれとは逆の発想です。
ポンズはまさにホームズとうり二つで、ワトスン役のパーカー博士もちゃんと登場します。ポンズの兄の名前がバンクロフトであると紹介されると最早笑うしかありません。作品自体も本家に登場する様々な固有名詞がひょっこり出てきたりしてファンの人は思わずニヤリとするでしょう。
本家に比べて読者にも材料が提示される場合が多い??!
?で真相も見破りやすいのですが、そうするとパーカー博士が並はずれた低脳に見えてしまうのが困ったところです。
もちろん本家のように冒険趣味が強調されたものやポンズの超人性だけが際立つ話ももちろんあります。この話だけを単独で読むよりも、ホームズを読んでから読む方が絶対に楽しめる作品です。


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