Book Review!


作者:コナン ドイル


レビュー: 陸の海賊―ドイル傑作集〈4〉 (創元推理文庫) (文庫)

 コナン・ドイルの「ホームズ正典」以外の短篇を集めた傑作集。
 第4巻の本書は、スポーツを扱った小説を中心に編まれている。
 収められているのは、「クロックスリーの王者」、「バリモア公の失脚」、「ブローカスの暴れん坊」、「ファルコンブリッジ公−リングの伝説」、「狐の王」、「スペディグの魔球」、「准将の結婚」、「シャーキー船長行状記」「陸の海賊」の9篇が収められている。
 物語として純粋に面白い。ストーリーテラーとしてのドイルの魅力が存分に伝わってくる。
 それ以上に興味深いのは、ここに収められた作品たちが、19世紀後半から20世紀初頭にかけての、イギリス文化を色濃く写し出している点だ。スポーツというものが文化として成立する時期であり、そのなかでアマ?!
??ュアとプロが生まれ、「フェア」という概念があらわれた。ボクシングの小説を多く取り上げた本書では、それが如実に見られるのだ。
 「准将の結婚」は、ジェラールものの未訳。
 「クロックスリーの王者」、「バリモア公の失脚」、「狐の王」は、翔泳社の『ドイル傑作集1』からの再録。


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