Book Review!

作者：アルフレッド・D・チャンドラーJr.


レビュー： 経営者の時代 下―アメリカ産業における近代企業の成立 (単行本)

本著はVisible Handの翻訳であるが、このタイトルはアダム・スミスのInvisible Handに対応させたものである。
しかしそれではわかりにくいだろうと、経営者の時代というタイトルにしたそうです。
ところで、上巻『経営者の時代 上―アメリカ産業における近代企業の成立 (1)』では大量生産、大量流通といった近代企業ができる下地についての話でありました。
下巻ではこの下地を一気に展開し、近代企業が成立し、Invisible Hand（市場の調整）からVisible Hand（企業による調整）への変遷を述べています。

割合知っている企業名も出てきますし、上巻よりも読みやすいのではないでしょうか。
もちろん分量は相当あるので、大変なのは間違いな?!
??ですが。
ちなみに索引、訳者あとがきは下巻にしかありません。

なので市場の調整から企業の調整への移行を述べている下巻は研究において大きな引用ができる内容といえるでしょう。
もちろん上巻、下巻ともに読むべきですが、もしどちらか片方だけで…と言う方には上巻はより歴史書としての性質が強いため、現代の社会が出来上がる過程を知りたい方に向いています。
下巻は近代企業が成立し、そこから市場の調整から、企業の調整への移行という、現代の社会の主役である企業がどのように市場よりも力を持ち始めたかを知りたい方に向いていると思います。


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