Book Review!


作者:ジョン・ディクスン・カー

レビュー:レビュー対象商品: 火よ燃えろ! (ハヤカワ・ミステリ文庫 5-5) (文庫)

 カー後期の歴史ものでは、この作品が「ビロードの悪魔」と並んで好きです。まず主人公チェビアト警視の活躍は誰がよんでも痛快で楽しめると思うし、歴史ものでは珍しくカーは不可能的トリックに挑戦しているのです。
 
 薄暗い廊下で、三人の人物が見守る中、一人の女がどこからともなく飛んできた銃弾に貫かれ、死亡する。犯行が可能だった人物はその時拳銃を所持していた女性のみ。まあ、例によって主人公チェビアトはその女性に恋しており、その事実を隠蔽するわけですが、当然真犯人は別にいます。しかし、他の人物が女を射殺するのは不可能だったはず、それなら誰が、どうやって?という事件です。 しかし、正直なところカーは不可能犯罪に挑戦してはいますが、トリックはさほどではありませ??!
?。どちらかというと、フーダニットの面を高めた作品でしょう。けれども、前述した通りこの作品はとにかく主人公チェビアトの活躍が痛快で楽しめます。本格ミステリとしてはさほどではありませんが、カーの作品の多くにもれず、どこか、愛着の涌く作品です。面白いので、カー好きならぜひ読んでみることをお勧めします。


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