作者:中村 保雄
レビュー:レビュー対象商品: 仮面のはなし―人間は仮面に何を託し、何を表現してきたのか (二十一世紀図書館 (0048)) (ペーパーバック)
著者はもともと数学の先生だったものが、能や能面に興味を持ち、研究者となったもの。そうした素人っぽさと研究者的態度がないまぜになったのが本書。大上段に構えて論じはじめたわりには些末なことしか語られておらず、拍子抜けする。文章も下手で読みにくい。
内容は世界と日本の仮面を歴史的に紹介するというもの。写真が方で見ていて楽しい。解説も簡潔で、むしろ図鑑のような本にすれば良かったのではないか。
そのほか、社会学、人類学、哲学などの側面から仮面という存在に切り込もうとしているが、成功しているとは言い難い。