Book Review!


作者:熊谷 敬太郎

レビュー: ピコラエヴィッチ紙幣―日本人が発行したルーブル札の謎 (単行本)

貨幣とは、財とは、富とは、発展とは、何か、を考えさせられる一冊でした。
「貨幣」はつまるところ、経済を生活を掌握する代名詞であり、象徴的な存在でもあります。必要とされるシステムであるがゆえにモンスターのように作り手の手を離れ、浸透しては成功と挫折をもたらすもの。物理的な貨幣の流通の裏には、人間の感情が折り重なって人々の生活に深く関わってくる。貨幣構造といういわば経済の根幹について、合理的・実用的というだけでは解決できない、人々のアイデンティティという問題が大きく関わっていることを改めて感じた一冊でした。

一般的な経済小説というよりも社会・経済の本質を問うような、珍しい切り口の一冊です。


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