Book Review!


作者:高宇 政光

レビュー: 僕は日本茶のソムリエ―お茶で世界をつなぐ夢 (単行本)

 カサブランカ(モロッコ)で著者は、そこに日本茶茶店があったことを知って驚く。そこから、著者の日本茶の謎への、長い長い旅が始まった。 上海に行ったとき、私はお茶屋(小売店)に案内され烏龍茶を飲んでビックリした。驚いた理由はふたつだ。理由のひとつは、「お茶の香りがする~!」「お茶の甘い味がする~!」ということだった。缶入り烏龍茶とは似ても似つかぬちゃんとしたお茶だったのである。もうひとつの理由は、値段の高さだ。確かにおいしいお茶であったが、このくらいの味と香りなら、なにもここで100g(最低)3千円も出して高級烏龍茶を買わなくても、100g千円の日本茶(煎茶)で充分に味わえる。いれ方をうまくすれば、六・七百円のお茶でも大丈夫だ。お茶大好きな私が知りたいこと、知りた?!
??ったことが、この本には満載されている。さすがにアメリカまで行って日本茶セミナーを開催する著者だけのことはあるわい、と関心させられた。お茶の小売店も経営する著者だが、商売の方は大丈夫と心配してしまうほど、お茶にのめり込んでいる。「僕が、高知県の山奥でたった二軒しか生産していない碁石茶を扱っているのは、・・・なによりも僕が、碁石茶作りを続けている生産家を応援したいからなのです」という心意気がすごい。ハウツー本にはない奥の深さを感じさせる日本茶の本。日本茶の歴史・種類・生産・流通・日本茶の将来・日本茶と銘うった原産地中国のお茶の横行、などなど著者の造詣が光っている。


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