作者：ライアル ワトソン
レビュー： モンスーン―ワトソン博士のワンダーランド (単行本)
多ジャンルにわたる専門をもつ博物学者、ライアル・ワトソン氏のエッセイ。
自然の「大いなる意志」を信ずる著者らしく、現世と来世の境のような話に溢れている。中でも印象深いのは、アフリカ大陸の「大地の声」に幻惑された3兄弟の話。広大な牧場を相続した欧州人の3兄弟は、肉食に取り付かれて家畜全てを食いつくし、ついには衣服も住居も棄て、狩をしては生肉を食い漁る生活に落ち込んだ、という。
これは著者が子供の頃、実際に目にした事件だそうだ。
ヒトを生み出したアフリカの、悪魔的なまでの力を感じさせる。
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