Book Review!


作者:杉浦 日向子

レビュー: 百日紅 (上) (ちくま文庫) (文庫)

ジャンルを問わず「北斎もの」は数多いが、この作品は別格で、

これを読んだら誰もが北斎に惚れ直して、

たぶんかなりの確率で同じ様な生き方をしてみたくなるのではないだろうか。

江戸の暮らしも、貧乏も、あるいは人間のしがらみも、これはこれで悪くないと思わせるのは、

やっぱり杉浦さんの人柄が独特の筆致やさりげない話し向きに出ているからなのだろう。

これほどの才能が失われてしまったのは、返す返すも残念でならないが、

どうぞみなさん、ありったけの杉浦日向子作品を耽読して、彼女の世界にどっぷりと浸かってください。

昼間の蕎麦屋で燗酒をちびりとやりながら、ふんわりと味わってください。美味ですよ。

こんな「幸福感」は、ち??!
?っと他では得られません。


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