Book Review!


作者:山田 風太

レビュー: 風山房風呂焚き唄―山田風太郎エッセイ集成 (単行本)

山田風太郎エッセイ集成現代モノ2冊目を読了。もう1冊は「人間万事・・・」。本書はやや小ぶりというのか、生活雑事一般が多いようなところでタイトル通り、独自の展開・発想に膝を打つというというところは余り覚えなかった。
時代は古いんだけども、同時代の並走部分がある人間には違和感ない。昔からあった税金役人の厚顔話やイタリアからの別送荷物の盗難。
印象に残ったのは強きに媚びて、弱きをくじいて更につけあがるごとき日本人論(305頁辺)。いけいけで戦争になだれ込んでやんぬるかなの集合心理と同根である。
オーラスに近きところで(312頁辺)、啄木の歌の麻雀替え歌「一握の牌」23首には苦笑。これほどのパロデーを考え出す才は矢張り常人と劃するところ。
 つもり来れど!
 つもり来れどなほわが手楽にならざリ じっと手を見る
原典の方も親しみ湧いたか、再読してみた。啄木も苦笑。


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