Book Review!
「魚名辞典」と言っても、オールカラーでダイバー兼海洋写真家が著した魚類図鑑で見応えがある。ごく普通の解説をした後に、魚名の由来が詳しい。
ゲンゴロウブナ(源五郎鮒)の名は、近江の錦織源五郎という名の侍が安土城主の織田信長に琵琶湖で獲れたこの鮒を献上し、それが美味しかったためこの名がつけられたという説がある。また、源五郎という名のどうたら亭主が女房に追い出されて琵琶湖のこの鮒になったというおもしろい説もある。
オオセ(大瀬)が島根県で「蝮鰐(マムシワニ)」と呼ばれるのは、一見おとなしそうだが、獰猛なことから名付けられたと思われる。因幡の白兎に登場するワニのように、山陰地方ではサメはワニと呼ばれる。台湾では「虎鯊」である。
シシャ??!
?(柳葉魚)は、アイヌの人々が凶漁で困っていた時、天の神が「スス(柳)」の「ハム(葉)」を川に流すと、それが魚となって飢えを救ったというアイヌの民話にちなむという。
タチウオに「太刀魚」「立魚」と漢字を当てるのは、その形から名付けたと言えよう。
さまざまな理由で呼ばれる魚の名に多くの人は興味が持てるのではないだろうか。
更に詳細を見る