Book Review!


作者:河合 隼雄


レビュー: トポスの知―箱庭療法の世界 (単行本)

箱庭療法」というと、名前だけで何となくどのようなものか思い浮かべることができるものの、何か少し胡散臭いような...。心理学に強い関心のない人であれば、当然そうであろう。しかし、本書はそうした先入観をいっぺんに吹き飛ばしてしまうほどのもの。本書、ともかく企画が大成功である。河合隼雄中村雄二郎の二人の対談という形で、箱庭の実際の作例をたくさん交えながら、問いかけ、答え、解釈し、とスリリングな思索が展開され、結果として箱庭を創るという行為によって示しうる深い世界と、単なる精神療法の一つという枠を超えて、新しい思想を生み出す地盤となりうるような知のありかというものの一端をかいま見せてくれる。箱庭は自己の内面世界そのものであり、示される作例から浮かび上がってく??!
?精神世界のドラマはしばしばそれこそ命懸けのものであり、物凄い! の一言に尽きる。


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