Book Review!


作者:野田 敬生


レビュー: 心理諜報戦 (ちくま新書) (新書)

本書を読んでいると、世界のあらゆる発言、出来事はプロパガンダではないかと穿った見方をしたくなってくる。とにかく、自分に都合がよくなるように情報機関は情報を発信する。事実であれ、欺瞞情報であれ、工作対象の中に自分にとって都合のいいストーリーを組み上げてくれることが重要なのだ。映画「ラストサムライ」すら日本政府が民族精神を鼓舞するプロパガンダとして活用し、実際に効果があったと著者は見る。

本書は多くの記述で出典を示し、正確さを強調している。しかし、本書は微に入り、細を穿つ内容も多く、読みにくさがあったのも事実。また、心理諜報が主題なのに、だまされた人間たちの話がなく、どのように悪影響が出たかも記述がほしかった。


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