Book Review!


作者:宮田 登


レビュー: ヒメの民俗学 (ちくま学芸文庫) (文庫)

なぜ、女が怪力を発するのか。
なぜ、女が死ぬ怪談が流行するのか。
忌みごもりとは。嫁田とは。橋姫とは。皿屋敷とは。女人禁制の意味は。主婦権の変遷は。
どのように、男は女を恐れてきたか。
などなど、古代からの巫女などの流れを視野に入れ、江戸時代を中心に、女が持つ霊力が日常生活次元で、どのように維持・伝承されてきたかを解読する。
柳田国男の『妹の力』を踏まえているが、『ヒメ』という色香と尊敬の漂う呼称を用いて、より踏み込んでいく。都市伝説という観点からも読み解かれる。
章ごとに独立した、エッセイのような文体で、読みやすい。先行論文も多く紹介されているので、さらに詳しく知りたいときには参照できそうだと思う。
著者は男性なので、女性の生理に踏み??!
?むにはやや痛痒感があるが、深いと思った。


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