Book Review!


作者:樋口 有介


レビュー: 木野塚探偵事務所だ (創元推理文庫) (文庫)

95年05月刊行の単行本を再文庫化した5編の連作短編集です.

捜査経験などまったくないおじさんが,見当違いの推理を繰り返し,
その依頼にしても,あこがれの大事件には遠い変わったものばかり….
このギャップと,最後は助手に持っていかれるカッコ悪さにクスリです.

ただ,おじさんの妄想やハードボイルドのあこがれがちょっとくどく,
『狙いすぎ』のような白々しさが感じられるのは少し残念なところです.
また,書きおろしの編もほろ苦くキレイなものの,やや無理に締めた印象.

それでもおじさんの人情や助手の活躍でいつの間にか事件は解決してホッ.
帯にあった『抱腹絶倒』『爆笑必至』とはよくも悪くも違う作品に感じます.

なお,続編も東京創元社より!
08年06月に文庫化予定とのことです.


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