Book Review!


作者:中町 信


レビュー: 空白の殺意 (創元推理文庫) (文庫)

 1980年にトクマ・ノベルズから『高校野球殺人事件』として出たものの改題・復刊。
 東京創元社から復刊されているシリーズの第3弾だが、前作までとは違って、あっと驚くようなトリックは仕掛けられていない。それなりに意外性はあるものの、どちらかというと堅実なタイプのミステリであった。まあ、それなりに楽しめる作品といえるのではないだろうか。
 『天啓の殺意』、『模倣の殺意』はトリックは良いものの、無味乾燥な文章に飽き飽きさせられたが、それが本書では文章が改善されている。どちらが望ましいのかは良く分からないが。
 それにしても、高校野球というのはひどいものだ。大人の勝手な欲望と理想が、球児たちに押しつけられている。そのあたりの描写は社会派っぽいのかな。


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