Book Review!


作者:マイケル ナーヴァ


レビュー: ゴールデンボーイ (創元推理文庫) (文庫)

 前著『このささやかな眠り』に続く、弁護士リオスが活躍する第二弾。疑う余地もないほど状況に追い詰められた被疑者を、リオスの親友が弁護してくれという場面から始まる。
 この状況不利な事件を弁護をする羽目になったリオスが、さまざまな妨害や人間関係の複雑を紐解いていく内に事実があきらかになっていくのだが……。
 アメリカのゲイ解放運動の結果として、ゲイに関する本も多く出版された。その中でも、この著者の本は人気があるようだ。それは、物語のストーリ性のおもしろさと、物語に出てくる人々の生きざまがそれどれの立場の人に共感を呼ぶからであろう。
 今回の本でも読み進めていく内に、弁護士りオス、その親友ラリーの生き方は切なくなるほど矜持に満ちているよう思えた。エ??!
?ズに冒されて余命いくばくもない時、自分にではなく他人に対して親切になれるのか。弁護士という枠を越えて、事件の解決に向けて努力出来るのか。
 それらは、結局は読者に向けたメッセジでもあるのであろうが、推理小説としてもおもしろいがそれ以上に重いテーマを持った小説である。 


更に詳細を見る