Book Review!


作者:新庄 節美


レビュー: 修羅の夏―江戸冴富蔵捕者暦 (創元クライム・クラブ) (単行本)

~著者の新庄節美氏は児童ミステリの作家だそうです。(性別不明)
ある書評サイトで好評なので読んでみました。東京創元社からの刊行ですから
謎解きの魅力を前面に出した捕物帳です。
探偵役は、同心・門奈弥之助の娘、盲目の少女・お冴。ワトソン役は弥之助の元で
下っ引を勤める富蔵。
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盲目のお冴は富蔵の話を聞くことによって、事件の真相を明らかににしていきます。
安楽椅子探偵というやつですね。第一話「隠居殺卯月大風」(いんきょごろしうづきのおおかぜ)は密室での刺殺事
件です。
第二話、「母殺皐月薄雲」(ははごろしさつきのうすぐも)は本格です。
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長屋で首を吊った死体で発見された一人の母親。自殺と思われた事件だったが、
ちょっとした点から殺!
しではないかという疑いが濃くなり、捜査の結果、出入りしてい
た三人の男が容疑者に。犯人の目星をつけた富蔵でしたが、事件に巻き込まれ負傷し、
病床でお冴に事件の概略を語ります。
~~
富蔵の話からお冴の導きだした結論は思いも寄らぬもの、という話です。
第三話の「後家殺水無月驟雨」(ごけごろしみなづきのゆうだち)も本格といえます。この作品では、4月から6月までの物語を描いています。続編が楽しみです。
富蔵とお冴の恋の行方も、どう展開してゆくのか。二人を暖かい目で見守る、使用人の
佐久爺もいい味を出してます。~


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