Book Review!


作者:青柳 いづみこ


レビュー: ショパンに飽きたら、ミステリー (創元ライブラリ) (文庫)

 いまはなきミステリ雑誌『EQ』連載のエッセイに、数編の書き下ろしを加えてまとめたもの。

 著者はピアニストにしてドビュッシー研究家。リサイタルを行い、生徒さんたちに教え、ドビュッシーについて研究する合間に、ミステリを読んでいるらしい。音楽家にとって、ミステリは最高の息抜きなのだという。ふーん、そういうものなのか。

 内容は、音楽に関係するミステリを取り上げてピアニストの視点から論評するというもの。ホームズはヴァイオリンを本当に弾けたのかとか、高村薫リヴィエラを撃て』の音楽シーンの是非についてとか。バーバラ・ポールの『気ままなプリマドンナ』が取り上げられているのが嬉しい。

 単にあら探しをする書物ではない。ピアニストの「目」に感嘆させ!
られた。そのほか、著者の音楽活動とか、ピアノ教師としての体験とかも盛り込まれていて飽きない内容になっている。

 詳細な索引がついているのもありがたい。


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