Book Review!


作者:石村 貞夫


レビュー: SPSSによる多変量データ解析の手順 (単行本)

SPSSやAmosで様々な多変量解析をおこなうための操作方法を解説している。初心者向けの体裁をとっているが、実際は理論に精通していないとわからない部分が多々ある。各解析法のアウトプットの読み方は一応解説されているが、あっさりしすぎていたり、計算方法を示すだけだったりする部分が多く、初心者はどう解釈すればいいかわからないだろう。もちろん、各解析法のしくみを説明しているわけでもないので、それを学ぶという目的に本書は向かない。結局のところ、とりあえずアウトプットを出せるようになるための「簡易マニュアル」というべき内容なのだ。このような本が必要なときもあるが、やはり簡易マニュアルにこの値段はつらい…。東京図書の『SPSSによる○○の手順』シリーズの評判がいま一つなのはそのた??!
?だろう。アンケートの解析なら、同じ東京図書でも『すぐわかるSPSSによるアンケートの多変量解析』や『SPSS完全活用法 共分散構造分析(Amos)によるアンケート処理』のほうがわかりやすい(ただし、扱っている手法は本書より少ない)。ちなみに、本書に載っているすべての解析法をおこなうには、SPSS Base Systemのほかに4つのオプションと、Amosが必要。もしBase Systemのみの環境なら本書の2/3が無駄になるので注意。


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