Book Review!


作者:アーロン エルキンズ

レビュー:レビュー対象商品: 死者の心臓 (ハヤカワ文庫―ミステリアス・プレス文庫) (文庫)

今回の舞台はエジプト。エジプトの主要な遺跡が次々と小説に登場する。最近エジプトが舞台になっている小説をよく読む。単に好きだというのも理由のひとつだが、共通してけっこう面白いというのが理由にある。旅情とミステリーというのは多くのミステリ作家がやっていることだと思うが、旅情プラス本格的なミステリを書くのはかなり難しいのかどちらかに偏っていることが多い。その点、アーロン・エルキンズのスケルトン探偵シリーズは素人探偵役となるギデオンが古代人類学者だという点で、いろんな知識を詰め込んでなおかつ本格ミステリに仕上げる最大の手伝いをしている。特殊な職業のために事件に巻き込まれやすいという設定は、素人探偵の中では自然なほうだ。骨を見てその人を推理するというのも、まる??!
?きり推理のみで勘に頼るところが大きい探偵よりも納得がいきやすい。何が理由でその結論がもたらされたのかが誰にでもわかるように書かれているのがいい。科学的とも言える。本書は、ナイル川を豪華船でクルーズ している最中に事件が起こるわけだが、なんとなくクリスティーの「オリエント急行の殺人」を連想させられた。


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