2015-04-01から1ヶ月間の記事一覧

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作者:古今亭 志ん生レビュー: 古典落語 志ん生集 (ちくま文庫) (文庫) 落語は話芸。それを活字に直したものを読んだところで、実際の雰囲気はなかなか伝わってきません。楽譜を読んだだけでは、頭の中で音楽が聞こえて来ないのと同じです。ですが、これは…

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作者:中里 介山レビュー: 大菩薩峠〈18〉 (ちくま文庫) (文庫) by 小宮山隆央映画にもなっています。大菩薩峠 (1960年 / 日本 )監督: 市川雷蔵 三隅研次出演: 市川雷蔵 本郷功次郎 中村玉緒 山本富士子『大菩薩峠』は、中里介山作の約30年にもわたり書…

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作者:藤原 和博レビュー: 給料だけじゃわからない!―[よのなか]の歩き方〈2〉 ちくま文庫 (文庫) 自分が働くということについて、会社と関わるということについて、考え直すとき参考になる本。特に色んな勤労スタイルを時給に換算する部分や、報酬は経済的…

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作者:石井 美樹子レビュー: 中世の食卓から (ちくま文庫) (文庫) 題名から察する事ができるように、中世ヨーロッパの食卓事情について、食材ごとに分けて書かれています。淡々と調理法を語るのではなく、当時起こった興味深い出来事を随所で引用し、食以外…

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作者:W. シェイクスピアレビュー: 恋の骨折り損 シェイクスピア全集 16 (ちくま文庫 し 10-16) (文庫) 原作はLove's Labour's Lostと、L音が三つ重なる洒落たタイトル。禁欲を誓ったはずの王と側近たちが、美しいフランス王女と侍女たちに恋をして、さんざ…

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作者:堀田 善衛レビュー: スペイン430日―オリーブの樹の蔭に (ちくま文庫) (文庫) これは、すごく面白いので、もう何回も読んだ。みんなも読みなさい。 更に詳細を見る

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作者:森枝 卓士レビュー: 世界お菓子紀行 (ちくま文庫) (文庫) イギリス人は、朝食のパンにジャムをつけない。韓国ではスナックに○○○を食べる(なんかすごいので自主規制)。中国では、揚げた麺にお砂糖をかけてお菓子として食べる‥‥と、いわゆるトリビアな…

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作者:森 毅レビュー: ひとりで渡ればあぶなくない (ちくま文庫) (文庫) 小倉紀蔵の近刊を読んでいて、ふと心に浮かんだのが森毅であった。東大卒→紆余曲折→京大教員という経歴以外に、両者の共通性はないと思っていたが、この旧刊を読み返してみると、どう…

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作者:松田 道弘レビュー: トランプ・マジック (ちくま文庫) (文庫) 著者の松田氏の本はマニア向けのものが多く、高度な技法を要したりかなり練習が必要な作品を扱われることが多いのですが、この本については初心者でも簡単にできるものが多く収録されてい…

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作者:石井 正レビュー: 世界を変えた発明と特許 (ちくま新書) (単行本) 蒸気機関のワット、電力システムのエジソン、飛行機安定技術のライト兄弟とカーティス、無線通信のマルコーニ、さらにトランジスタ、半導体、自動織機、レントゲン。そこには、社会を…

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作者:W. シェイクスピアレビュー: お気に召すまま−シェイクスピア全集 15 (15) (文庫) 少女が羊飼いの少年に化ける、楽しく美しい物語。張りと奥行きのある台詞は、『十二夜』に次ぐ名作だと思う。松岡氏の新訳は、楽しくて切れがよい。男装したロザリンド…

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作者:野口 晴哉レビュー: 風邪の効用 (ちくま文庫) (文庫) ストレスや疲労によって緊張しきった体や頭を緩ませ、強制的に休ませるために風邪をひく必要がある。風邪をチョコチョコひいて、うまく体を緩ませることができる人は癌などの大病をしないという著…

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作者:ルキアノスレビュー: 本当の話―ルキアノス短篇集 (ちくま文庫) (文庫) ルキアノスはあらゆる空想物語の父である。 『ユートピア』を書いたトマス・モアは、ルキアノスがやりたくてギリシャ語の勉強した。天才天文学者ヨハネス・ケプラーは、『夢(ソ…

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作者:江戸川 乱歩レビュー: 江戸川乱歩随筆選 (ちくま文庫) (文庫) 本書は紀田順一郎がセレクトした乱歩随筆集である。もちろん、乱歩の随筆を全て網羅したら膨大なものになるし、中にはあまり読む価値のないと思われるようなものもないわけではない。だか…

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作者:ジョーセフ ヘラーレビュー: 笑いごとじゃない―世にも明るい闘病記 (ちくま文庫) (文庫) 何度が入院したことがある。そのなかで最悪だったのが椎間板ヘルニアと軽い脳梗塞の併発だった。その時に友人からの差し入れられたのが「笑いごとじゃない」だ…

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作者:田辺 聖子レビュー: 性分でんねん (ちくま文庫) (文庫) うーむ。痛快爽快、元気がでるなあ。女性エッセイストは、塩野七美さんと、この人が二大巨頭であるのが主観。歯切れがよいのだ。また、この人は大阪出身ということで思い入れもある。このような…

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作者:ロバート・ハンス ファン・フーリックレビュー: 中国迷路殺人事件 (ちくま文庫) (文庫) 中国唐代の実在の人物・狄仁傑(ディー・レンチェ)を主人公とする推理小説。ディー判事の鋭くも人情溢れる推理と裁き、そして忠実で痛快な2人の部下、多彩な登…

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作者:T.S. エリオットレビュー: キャッツ―ポッサムおじさんの猫とつき合う法 (ちくま文庫) (文庫) ミュージカル「キャッツ」を観たことのある人なら、この詩集は分りやすいのではないでしょうか。詩のニュアンスが四季版「キャッツ」と微妙に違い、また登…

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作者:円 より子レビュー: 妻たちの静かな反乱 (ちくま文庫) (文庫) 現在、政治家さんなので、ご存知の方も増えたと思います。全部読んで思ったのは、率直な印象、田嶋陽子氏と大して変わらないか、と。もう少し肯定的に考えられない人なのかなあ、意見の違…

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作者:堀 淳一レビュー: ケルトの島・アイルランド―自然と遺跡 (ちくま文庫) (文庫) 大変魅力的な本です。主にアイルランドの地形・風景について多くのページが割かれ、氷河によって作られた雄大な景色の描写は見事です。写真は白黒のものと、著者手描きの…

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作者:高野 文子レビュー: るきさん (ちくま文庫) (文庫) 主人公の「るきさん」は、この世のいかなるしがらみにもとらわれず、自由気ままに飄々として生きているように見える。浮世離れした、どこか超越した感じの「るきさん」に対し、友人の「えっちゃん」…

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作者:小松 和彦レビュー: 日本異界絵巻 (ちくま文庫) (文庫) 「異界」、この言葉に魅力を感じる人は結構いるんじゃなかろうか。何がいるか、何があるかわからない場所。だからこそ想像力が入り込む余地をたくさん残して、そのおかげで色んなイメージを生む…

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作者:W. シェイクスピアレビュー: ヘンリー六世 シェイクスピア全集 19 (ちくま文庫 し 10-19) (文庫) 2010年3月の「彩の国シェイクスピアシリーズ」上演のための翻訳。「松岡和子訳」は、現代の言葉と時代劇的な重い言い回しの調和が取れている気がするし…

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作者:浅田 彰レビュー: ヘルメスの音楽 (ちくま学芸文庫) (文庫) 著者が一番精力的に活動していたころに書かれた、美術批評集。といっても、作品をこう見るべき、なんて教条的なことには一切触れることなく、あくまでも自由に、軽やかに作品に接することの…

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作者:福田 恒存レビュー: 私の幸福論 (ちくま文庫) (文庫) 女性週刊誌に連載されていたものをまとめただけあって,非常に易しい言葉遣いで,深く考え抜かれた幸福論を教えてくれる. 人生の要素別に,各章がなりたっていて,拾い読みをするのにも向く.「幸…

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作者:水木 しげるレビュー: 妖怪たちの物語 (ちくま文庫―妖怪ワンダーランド) (文庫) 「やまたのおろち」「妖怪水車」「死人つき」「不死の酒」「足跡の怪」「古道具屋の怪」「群衆の中に」「なまはげ」「水虎」「砂かけばばあ」「怪物マチコミ」「貧乏神…

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作者:手塚 治虫レビュー: 手塚治虫マンガ音楽館 (ちくま文庫) (文庫) 手塚治虫がクラシック音楽に造詣が深く、ピアノも堪能だったと聞いていた。その才能と本業が合致した本書は、膨大な作品群から抜粋されて、音楽を主題にすえて読み応えがある。とりわけ…

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作者:実相寺 昭雄レビュー: 星の林に月の舟―怪獣に夢見た男たち (単行本) ウルトラマンを作った男達を一部実名、一部仮名で登場させた小説である。こういった流れだと技術的な苦労話や楽屋話に終始することが多いのだが、特撮ヒーローにかけた男達の心情を…

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作者:マルセル プルーストレビュー: 失われた時を求めて〈3 第2篇〉花咲く乙女たちのかげに 2 (ちくま文庫) (文庫) 失恋後2年。「私」一行が二巻末から休暇を過ごすバルベックを舞台に、全主要登場人物の紹介が完了。最短距離をとりたい方は49頁あたり…

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作者:山田 一広レビュー: アベベを覚えてますか (単行本) この本はアベベだけでなく盟友マモ・ウォルデの伝記でもある。2人でローマ(金)、東京(金)、メキシコ(金)、ミュンヘン(銅)という成績で4大会連続でエチオピアの国旗を掲揚させた。アベベ…