2014-01-01から1年間の記事一覧

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作者:苅谷 剛彦レビュー: 考えあう技術 (ちくま新書) (新書) 共に生き、お互いの共存を認めるために考えあう技術が必要。これに対立する考えかたとして、個人はこうあるべきだとか、こうすればお互い住みやすいよい社会ができますという、個人の「徳」を高…

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作者:ロジェ=アンリ ゲランレビュー: トイレの文化史 (単行本) 私たちが生まれてから死ぬまでついて回るのが排泄という行為。この本はトイレにまつわるさまざまなことを解き明かす。世界のファッションのリーダー的存在であるあのフランスでは、かつて建物…

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作者:岡田 英弘レビュー: モンゴル帝国の興亡 (ちくま新書) (新書) モンゴル帝国について少し勉強したいと思い手に取ってみたが、がっかりである。端的に、つまらない。新書という形態である以上、予備知識も何もない読者が興味を持つことが出きるような入…

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作者:赤木 昭夫レビュー: 自壊するアメリカ (ちくま新書) (文庫) NHK解説委員だった赤木教授によるアメリカ論。政治学者や経済学者による日米論や、アメリカ政治、アメリカ経済論は数々見られるが、違った観点からの論評は、興味深い。国際政治上ばかりで…

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作者:菊地 章太レビュー: 葬儀と日本人: 位牌の比較宗教史 (ちくま新書) (新書) 位牌の起源は、仏教なのか、道教なのか、儒教なのか。現在日本葬式仏教はその混淆なので、わからない。位牌をめぐるキリスト教の対応が面白い。イエズス会は、キリスト教への…

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作者:武澤 秀一レビュー: 法隆寺の謎を解く (ちくま新書) (新書) 現在、目にする法隆寺は聖徳太子創建のものではなく、再建(新創建)されたものであることは昭和14年の発掘調査の結果から明らかになっている。新創建の法隆寺がいつ、誰により何の目的で…

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作者:三輪 芳朗レビュー: 誰にも知られずに大経済オンチが治る (ちくま新書) (新書) 一つのトピックがわけのわからない方向にいってしまってはもどりまたどっかにいってはもどる。たとえもたとえのわりには抽象的。著者自身の頭の中で完結していることなの…

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作者:清家 洋二レビュー: 決められない! 優柔不断の病理学 (ちくま新書(550)) (新書) 以前から医薬品でないアガリクスが「末期がんに効く」と書籍で広告されていたけど、ついに出版側(某大学名誉教授も監修に関与!)と健康食品会社が薬事法違反で摘発さ…

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作者:笠原 英彦レビュー: 象徴天皇制と皇位継承 (ちくま新書) (新書) 本書を通読してまず一番に感じたことは、著者はまず何よりも皇統の断絶を危惧しているということです。本書では現在の皇室典範制定までの足取りや皇室典範に隠された思惑、そして皇位継…

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作者:田中 宏巳レビュー: BC級戦犯 (ちくま新書) (新書) 5700名のBC級戦犯の裁判は、国際的に注目を浴びた(というか国際的な政治ショーであった)A級戦犯のそれとは異なり、ほとんどが闇の中でおこなわれた暗黒裁判であった。それはむしろ「裁判」…

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作者:赤川 学レビュー: 子どもが減って何が悪いか! (ちくま新書) (新書) 誤解のないように断っておくが、本書の筆者は男女共同参画に反対しているわけではない。(それは評者も同じである。)本書で筆者が主張していることは、「男女共同参画施策は、少子…

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作者:戸田 忠雄レビュー: 公務員教師にダメ出しを! (ちくま新書) (新書) 著者の主張の中心は「学習者の教員評価によって教員の質を上げよう」というところだと思われる。それは理解できるのだが、多くの部分によって本書の内容の信頼性や著者自身の品格が…

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作者:小林 和之レビュー: 「おろかもの」の正義論 (新書) 思考停止の対極にある内容の本です。 利害の衝突、価値観の衝突があるときに、どうすれば良いのか。 その様な場合は、とりあえず自分の主張を通す事に最善を尽くし、相手の利益の実現の程度は、相…

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作者:原田 武夫レビュー: 北朝鮮VS.アメリカ―「偽米ドル」事件と大国のパワー・ゲーム (ちくま新書) (新書) 残念だが☆5つを付けているレビューワーは全員この書籍のレビューしかしていない。。つまり、さくらの可能性がかなり高い。他の方のレビューにも…

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作者:永野 則雄レビュー: 経営がわかる会計入門 (ちくま新書) (新書) この本はとてもいいです。これまで会計の本は、はずかしながら得に勉強したこともなく、薄い文庫本を読んですぐに記憶から消えてる状態だった。しかしこの本は、損益計算書、貸借対照表…

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作者:藤井 孝一レビュー: 週末起業 (ちくま新書) (新書) 週末起業の本、HP、セミナーなど、花盛り。ある人の薦めで読みましたが。。。これを読んだだけでは、起業のノウハウは分かりませんね。もっと知りたければ、次の本を買え、セミナーに参加しろ、とい…

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作者:井上 寿一レビュー: アジア主義を問いなおす (ちくま新書) (新書) 1930年代の日中関係史、あるいは中国に関する日本当局や知識人の言説に興味がある人にお勧めの本。タイトルは「アジア主義」を掲げるが、実質は1930年代の日中関係史に終始している。…

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作者:檜垣 立哉レビュー: ドゥルーズ入門 (ちくま新書) (新書) ちと難しい。「はじめに」がいいと思って買ったけど、本文は難しい難しい。読者にどれほどの哲学的知識がいるのか、ドゥルーズの何から知れば入門しやすいのか、つまり、どういう読者を想定し…

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作者:長山 靖生レビュー: いっしょに暮らす。 (ちくま新書) (新書) 本書を読むと、未婚率の上昇は表層的な現象ではなく、起こるべくして起きたことが分る。小津安二郎の映画には、親の再婚が、結婚したがらなかった娘に結婚を決意させる話がある。家に自分…

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作者:初田 亨レビュー: 百貨店の誕生―都市文化の近代 (ちくま学芸文庫) (文庫) 明治・大正期を中心とする民衆の文化史として、なかなか興味深い一冊。 開国以後のこの国において、いかにして勧工場や呉服店を経て、いわゆるデパートメント・ストア=百貨店…

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作者:山田 昌弘レビュー: パラサイト社会のゆくえ (ちくま新書) (新書) あとがきによれば、草土文化社の「子どものしあわせ」誌に連載された文章をまとめた本。「離婚、1分49秒に一組」とか「卵子バンク開設へ」とか「三人に一人は夢がない」とか「中年女性がプ…

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作者:藤井 孝一レビュー: 週末起業サバイバル (ちくま新書 811) (新書) 週末起業、あるいは起業を考えている人にとって自分が起業する上で何が必要かを考えさせてくれる本です。会社員で起業を考えているけどどうしたらいいかな?というレベルの人に向いて…

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作者:竹内 正浩レビュー: 鉄道と日本軍 (ちくま新書) (新書) そもそも「鉄道と日本軍」ならば、終戦まで貫徹してほしかった気がする。「軍隊の都合で鉄道が敷設された富国強兵の時代を語るから日露戦争で終わり」というのも理解はできるが、昭和時も満鉄の…

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作者:平出 鏗二郎レビュー: 東京風俗志〈下〉 (ちくま学芸文庫) (文庫) 下巻には、「中の巻」の後半と、「下の巻」が収録されている。 著者は文部省の役人として、教科書制作や史料編纂に携わった人物。 本書はもともと1899-1902年に出版されたもの。明治…

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作者:梅崎 修レビュー: マンガに教わる仕事学 (ちくま新書) (新書) 40種類のマンガから、著者がそれぞれ仕事に関係する大事な「何か」を読み取って解説。いや、ビジネスマンガもしくはなんらかの形で仕事に関係するようなマンガって、こんなにあるのかと…

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作者:岩木 秀夫レビュー: ゆとり教育から個性浪費社会へ (新書) オススメにあったので、タイトルに惹かれて買った者です。前半1〜3章が、ゆとり教育に至る流れを欧米との比較もあわせてかかれてあり。文章構成に癖があるせいもあり、ここがとても読みに…

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作者:山口 誠レビュー: ニッポンの海外旅行 若者と観光メディアの50年史 (ちくま新書) (新書) この著者はバックパッカーだったのが、よくわかるレポート。日本の若者の海外旅行(バックパッカー)を、小田実世代、深夜特急世代、猿岩石世代の3つに分けて…

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作者:長谷川 櫂レビュー: 「奥の細道」をよむ (ちくま新書) (新書) 俳句鑑賞の新鮮な手さばきは知る人ぞ知る。 著者の俳論の外見上特徴は「切れ」の取り方、表記法のユニークさにある。 /草の戸も住替る代ぞ/ひなの家/ 句中の切れは分かるが、句頭と句…

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作者:義江 明子レビュー: つくられた卑弥呼―“女”の創出と国家 (ちくま新書) (新書) <1>諸説の多い卑弥呼を、日本古代の女性像、家・結婚・名前などの社会慣習の観点から論じたもの。卑弥呼とは誰ぞやというなぞを解くための状況証拠的な素材をいろいろ…

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作者:ヴァルター ベンヤミンレビュー: ベンヤミン・コレクション〈2〉エッセイの思想 (ちくま学芸文庫) (文庫) 時間の悪戯か、ベンヤミンも迫り来るナチスの脅威から逃れる術はあった。だが・・・。皮肉なことに、死者の書は時折、乾いた光芒をも放つ。怜…