2013-11-01から1ヶ月間の記事一覧

Book Review!

作者:後藤 均レビュー: 写本室(スクリプトリウム)の迷宮 (創元推理文庫) (文庫) この本を読んだほとんどすべての読者は、最後の場面で唖然とするだろう。それがどういうたぐいのものかはネタばれになるので記しないでおくが、「おいおい」とツッコミたくな…

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作者:ジェフリー・ハウスホールドレビュー: 祖国なき男 (創元推理文庫) (文庫) よく分からない、と言うのが正直な感想。前作は1960年(本国での出版は1939年!!)で、その続編である本書も1982年出版で、それを2010年に読んでいる。実に70年。前作を読…

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作者:加納 朋子レビュー: 魔法飛行 (創元推理文庫) (文庫) 加納朋子先生の作品「ななつのこ」の続編。全作の主人公、入江駒子はある日瀬尾という男性に出会い、小説を書くように薦められる。そして、駒子は小説を書き始める。学校で出会った不思議な女性の…

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作者:ハドリー・チェイスレビュー: 蘭の肉体 (創元推理文庫 133-2) (文庫) 一人の美女を巡り、死体の山が築かれていく・・・。スピレインに並ぶアクション派作家チェイスの代表作。 しかし、世間一般のハードボイルドのイメージを求めて読むと肩透かしを食…

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作者:アガサ・クリスティレビュー: クィン氏の事件簿 (創元推理文庫 105-10) (文庫) 名手クリスティがなめらかな話し運びで、無力な老人に探偵役をさせる。磨きぬかれた話しがひとつひとつ積み重なり、読み手を魅了する。そうして、最後に一気に読み手との…

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作者:石村 貞夫レビュー: SPSSによるカテゴリカルデータ分析の手順 (単行本) アンケート調査の実例を挙げながら、SPSSでカテゴリカルデータを分析する手順を説明している。しかし、石村著のこのシリーズに共通して言えることだが、「手順」を説明するだけ…

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作者:D.A. レイナーレビュー: 眼下の敵 (創元推理文庫) (文庫) 大西洋上を、哨戒任務につく駆逐艦。艦長は、商船乗りだと、船員は軽く見ていた。そこにUボート発見。艦長は、夜を通して、適を追尾する。夜明けに、敵が朝一番の360度目視をしたとき、駆…

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作者:ウィリアム・アイリッシュレビュー: 黒いカーテン (創元推理文庫 120-1) (文庫) 黒いブラシで地を掃くように、夜が忍びよってきた…。主人公が記憶喪失から立ち返った時、彼は確かにフランク・タウンゼントであった。しかし、傍らの子供が差し出した帽…

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作者:いしい ひさいちレビュー: 女には向かない職業2 なんとかなるわよ (創元ライブラリ) (文庫) 小学校の先生からミステリ作家に華麗なる転進を遂げた藤原ひとみ先生の過去が明らかに!女学生時代から、小学校の先生時代、作家活動期と藤原先生のいきあた…

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作者:アレン・カーズワイルレビュー: 形見函と王妃の時計 (海外文学セレクション) (単行本) 前作の『驚異の発明家の形見函』とリンクはしているが、続編ではありません。ぺダンチックで博物館学的な雰囲気は前作同様ですが、舞台が現代なこともあって、歴…

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作者:E.S.ガードナーレビュー: 奇妙な花嫁 (ハヤカワ・ミステリ文庫 3-27) (文! 庫) 派手さがなく基本静かです。メイスンはあまり激しくなる男ではないのです。だけれどもやるときは結構大胆なことをやってのけてくれるのです。しかしそんな超一流の弁護士…

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作者:ルース・レンデルレビュー: 死が二人を別つまで ウェクスフォード警部シリーズ (創元推理文庫) (文庫) シリーズ第二作にして、シリーズ探偵であるウェクスフォード警部がいきなり脇役(というよりほとんど敵役)になるという人を食ったプロット。中身…

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作者:ジャック フットレルレビュー: 思考機械の事件簿〈3〉シャーロック・ホームズのライヴァルたち (創元推理文庫) (文庫) 思考機械が活躍する唯一の長編金の皿盗難事件が入った東京創元社版第三短編集でも、フットレルが実際に何篇思考機械もの書いたか…

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作者:ゴードン・スティーヴンズレビュー: 七月の暗殺者 上 (創元推理文庫) (文庫) 上巻をよんでおるが、まったくペースがあがらん。つまらんちょこちょこ重要でもない人物が次々出て、誰が誰か全くわからん正直よむのもつらい 更に詳細を見る

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作者:ヤーン・エクストレムレビュー: 誕生パーティの17人 (創元推理文庫 (227‐1)) (文庫) かれこれ十云年前に、出版案内を当時のEQMMで観て、コーフンし、初版が出ると飛び付く様に買って即読した覚えの在る、密室長編推理小説。今も、本棚に置いて在…

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作者:ヘニング・マンケルレビュー: 背後の足音 下 (創元推理文庫) (文庫) 糖尿病を放っておくと大変・・・というかこの疲れっぷりは50代かと思いきやまだ50歳になっていなかったんだね。ヴァランダー大丈夫か?シリーズはあと2作あるのでここで死なな…

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作者:ジェラール・ド・ヴィリエレビュー: SAS/イスラエル嘆きの壁の女 (創元推理文庫―プリンス・マルコ・シリーズ (197‐45)) (文庫) プリンス・マルコ・シリーズの1978年の第51作。亡命しようとして撃たれたKGBの大佐が、息を引き取る前に米国当局に驚くべ…

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作者:イーデン・フィルポッツレビュー: 灰色の部屋 (創元推理文庫 111-3) (文庫) 『赤毛のレドメイン家』でよく知られるフィルポッツの最初に手がけた推理小説であるとされています。チャドランズ屋敷には「灰色の部屋」と呼ばれる部屋があり、その部屋で…

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作者:ウォルター・サタスウェイトレビュー: 仮面舞踏会 (創元推理文庫) (文庫) パリを舞台に二組分かれた探偵が、編集者とその愛人殺しの謎を追うという話なのですが、とぼけた感じのユーモアが全編に満ちて、楽しく読めます。特にグルメなフランス人の相…

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作者:フレドリック・ブラウンレビュー: 不思議な国の殺人 (創元推理文庫 146-4) (文庫) もう何十年も前に読んだのを再び読みたくなって古本を買いました。再読しても感動は変わりませんでした。最高です。謎解きや人物描写ということではなく、ブラウンは…

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作者:アイザック・アシモフレビュー: 黒後家蜘蛛の会 2 (創元推理文庫 167-2) (文庫) 短編のミステリーなので、ちょっとした空き時間に読めて良い。食事会のメンバーは、いつも謎を解こうとがんばっているのに、結局、謎を解き明かすのは給仕のヘンリーな…

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作者:F.W.クロフツレビュー: フレンチ油田を掘りあてる (創元推理文庫 106-18) (文庫) 倒叙表現をわざわざ使って犯人推理を困難にしてくれるいやーな作品です。ストーリー紹介を裏切ることのない犯人推理の難しい作品です。上記のとおりのようなことが重な…

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作者:H.C.ベイリーレビュー: 世界短編傑作集 5 (創元推理文庫 100-5) (文庫) 掲載作品:ベイリー「黄色いなめくじ」、ディクスン「見知らぬ部屋の犯罪」、コリアー「クリスマスに帰る」、アイリッシュ「爪」、パトリック「ある殺人者の肖像」、ヘクト「十…

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作者:エラリー・クイーンレビュー: エラリー・クイーンの新冒険 (創元推理文庫) (文庫) 名作として知られる「神の灯」を含む中短編集です。「神の灯」は家屋消失トリックという大胆な仕掛けで当時の読者の度肝を抜いた有名な作品です。現代でも家屋消失ト…

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作者:パトリック・クェンティンレビュー: わが子は殺人者 (創元推理文庫) (文庫) パトQ得意の複雑な人間模様の中で起こる事件の果てに、人間の心の闇が浮かび上がって来るという作風のサスペンス小説。主人公は出版社の共同経営者でインテリ。共同経営者は…

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作者:フィリップ・マクドナルドレビュー: ゲスリン最後の事件 (創元推理文庫 (171‐1)) (文庫) 作家のエイドリアン・メッセンジャーが知人に渡したメモに書かれたリスト。そこに書かれている人間は土地も職業も身分もバラバラで何の関連性も見いだせなかっ…

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作者:ミネット・ウォルターズレビュー: 破壊者 (創元推理文庫) (文庫) ミネット・ウォルターズは邦訳が出たら必ず読む作家のひとりですが、今回は濃かったですね(汗)。事件の不可解さにも、人物のキャラ設定にも、「やり過ぎ」感がありました。そして主…

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作者:深水 黎一郎レビュー: 人間の尊厳と八〇〇メートル (単行本) とあるカウンターしかないバーに一人で入ったら、同じく一人で飲んでいた先客の初対面の男が「今から八〇〇メートル競走をしないか?」と誘いかけてくる。当然「なぜ?」と問うが、それに…

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作者:F.W.クロフツレビュー: 山師タラント (創元推理文庫 106-13) (文庫) フレンチが後悔した事件です。その成果フレンチの描写は大抵見られず表題どおりの詐欺し、タラントとタラントを信じ続けて裏切られた女性、マールがメインに描かれます。きっと読ん…

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作者:ジェラール・ド・ヴィリエレビュー: SASヨルダン国王の危機 (創元推理文庫 197-7 プリンス・マルコ・シリーズ) (文庫) プリンス・マルコ・シリーズの最大の特徴(私見では欠点)の1つは、バイオレンス描写がどぎつい事。本筋がおもしろければ許せる…